現金輸送用車「マニ30」の一般公開が始まる北海道小樽市の小樽交通記念館で2004年7月9日から、日本銀行が現金輸送に用いていたマニ30形車両(マニ30-2012)の一般公開が始まった。8月22日まで内部も公開され、荷物室を監視するカメラも作動する。
この車両は1979年に製造された。外見は窓が少ないだけで普通の荷物車と変わりはないが、内部に特殊な扉で密閉された荷物室が前後に2ヵ所設けられている。その間には、ベッドや洗面所も備えられた、日銀職員と警備員用の部屋がある。
本店と支店の間で一度に数百億円が輸送されたこともあったが2003年度で現金の鉄道輸送は終了。6両在籍していたマニ車のうち、小樽で保存されるこの1両を除き廃車となる。
なおその使命から、車両の概要や運行日程などは秘密とされ、鉄道ファンの間では「幻の列車」と呼ばれていた、とのこと。
交通記念館への譲渡式で日銀札幌支店の遠山浩支店長は「車両を通し日銀の業務、役割の理解を深めてもらいたい」と挨拶した。また山田勝麿・小樽市長は挨拶で「北海道の鉄道発祥の地に貴重な車両が来た。現金輸送車の展示により街に現金が集まり、小樽観光の躍進につながれば」と話した。
