鉄道貨物協会が通常総会を開催鉄道貨物協会は2003年5月28日、東京都内で2003年度の通常総会を開催し、理事・評議員ら約300名が出席した。奥田会長は財界活動のため欠席した。
来賓として国土交通省の石川裕己鉄道局長が挨拶し、「現在最大の課題になっている環境問題の解決とともに、スムーズなモノの流れを実現するには鉄道への円滑なモーダルシフトが欠かせない。シフトの推進にはJR貨物の企業体質強化と荷主や通運の協力、さらに鉄道輸送のメリットを広くPRする取り組みが必要で、行政も必要な協力は惜しまないつもりだ。鉄道貨物をめぐっては4月から関係法令が改正されて、事業参入の自由化などの規制緩和が実行に移されたが、そうしたメリットを十分に発揮できるよう鉄貨協は強力なリーダーシップを発揮してほしい」と話した。
またJR貨物の金田好生会長は、「昨年度、JR貨物は2年連続で経常黒字を確保できたが、これも荷主や通運の協力があったからで感謝したい。本年度は、首都圏での環境規制やトラックのスピードを抑えるスピードリミッター導入といったシフトの推進要因があるが、それらをきっかけにコストや輸送効率化の面で"利用してメリットのある鉄道貨物"を実現したい」と話した。
総会では、首都圏の排ガス規制強化がトラック事業者へ与える影響を調べ鉄道利用の可能性をさぐる、大型コンテナに加え通風や冷蔵・冷凍など多機能コンテナの需要を把握する、大型コンテナによるモーダルシフトの可能性を広くチェックする、などが決まった。会員が減少傾向にあるため、会員募集活動に力を入れることでも一致した。
また政府への要望として、東京臨海高速鉄道を介して東京貨物ターミナル駅と京葉線を直結する京葉線二期ルートなどインフラ整備への支援強化、モーダルシフト実証実験制度(鉄道コンテナ輸送を試用できる)の拡充、の2点を決議した。
