宇都宮ターミナル運輸は、所有するカーパックコンテナで、宇都宮貨物ターミナル駅から横浜へ、輸出用の高級乗用車・日産インフィニティを300台弱 鉄道輸送した。輸出先のアメリカ合州国の評判もまずまずだったことから、鉄道輸送が今後も続くと期待されている。
カーパックコンテナは、日産栃木工場から出荷される乗用車の鉄道輸送を目的に1991年に101個が新製された。しかしバブル経済が終焉すると、栃木工場が主力とする高級車の販売は鈍り、カーパックコンテナが使われることも少なくなっていた。しかし3年前から、降雪期を中心に横浜から金沢や秋田・新潟へのスポット輸送に使われるようになり、2002年からは輸出車の鉄道輸送も始まった。
鉄道輸送ならば、輸送時の汚損の心配がなく、車高の低いスポーツカータイプの乗用車も特別な配慮なしに輸送できる。また3月は自動車メーカーが決算を控え販売が過熱し自動車輸送用のカーキャリアが不足することがあり、鉄道が選択される要因となっている。
宇都宮ターミナル運輸の再建のため送り込まれた舘野宣行社長は、「現状は引き続き厳しいが、できることから一つずつ実行して、鉄道貨物の将来を切り開きたい」と話している。