鉄道総研講演会・ヨーロッパの鉄道貨物を紹介鉄道総合研究所は「第15回鉄道総研講演会・環境と鉄道 --地球環境保全に貢献する鉄道--」を2002年11月14日([b])に東京都内で開催し、鉄道関係者など約400名が参加した。
この中で澤田一夫・浮上式鉄道開発本部技師長は、鉄道貨物輸送はトラックと比べエネルギー消費や二酸化炭素排出量の面で優位にあるとし、東京圏の貨物輸送をすべて鉄道で行った場合と、鉄道貨物輸送のシェアが西ヨーロッパ並みになった場合の試算結果を紹介した。
後者の場合、鉄道のシェアは15%となり、二酸化炭素排出量は約1400万トン減少する。これは日本の森林8万平方キロメートルが吸収量に匹敵する。
また運輸業界の省エネへの取り組みなども紹介した。
小山幸則・企画室室長は、EU域内での各輸送機関の外部費用を紹介。貨物輸送に関しては、道路輸送が1000トンキロあたり16.2ユーロに対し、鉄道が4.7ユーロとした。そして交通手段の選択に外部費用を考慮することの重要性を強調し、地球環境保護に有効な研究をあらゆる視点から進めて行きたい、とした。
他にも、鉄道車両の材料リサイクルや、持続可能な成長のための都市構造と交通などの講演が行われた。[b]
