JR貨物・伊藤社長のインタビュー交通新聞は2002年6月、JR7社の社長にインタビューを行った。JR貨物社長・伊藤直彦氏のインタビューは6月21日の紙面に掲載された。
この中で伊藤社長は、(鉄道貨物輸送に)公的支援が欠かせないのではという質問に対し、インフラとしての貨物駅近代化・着発線荷役の拡大が必要で、北九州貨物ターミナル駅や米原貨物駅など地元の協力が得られるケースが増えている。「環境問題を考えれば、"一定条件に当てはまる貨物は必ず鉄道で輸送する"ような仕組みを構築することが望ましい」が、「JR貨物一社の力でそれを実現するのは難しい。国や自治体の力も借りながら、貨物鉄道事業の優位性を広く社会や産業界に認知してもらうことが、これからの課題」となる、と述べた。
また旅客に比べPRが不足しているとの指摘がある、との問いに対し、「批判は甘受します。」、「不況下でも伸びている企業や業種は何か、その物流を鉄道で受け持てないか、と前向きにとらえたい」、「これからのJR貨物はただ店を広げるだけでなく、的確にマーケットリサーチをしてお客さまにメリットを提示し、選択してもらえる物流手段でありたい。」とし、そうした中で認知度を上げていきたいと、と述べた。
また完全民営化の展望について問われると、ニューチャレンジ21を達成し完全民営化を実現させたい、「社員にはこれまで我慢を強いることが多かったのですが、今後は物流業界各社に負けないような労働環境を整え、一人ひとりが意欲を持って働いていもらえるようにしたいと心しています。」と話した。
