運輸政策研究所の研究報告会でイタリアの貨物鉄道について運輸政策研究所は2002年春に第11回の研究報告会を開催し、基調講演として、ローマ大学教授のアントニオ=ムッソ教授が「地域格差問題と交通政策」を論じた。国土交通省や交通事業者・学識経験者が聴講した。
教授は、輸送シェアがトラック 74%・鉄道 8%となどヨーロッパの物流事情を紹介した。そして、アルプス・モンブラン越で鉄道の安全性が再認識され(最近 道路トンネルで火災事故が発生している)、民間の貨物事業者が鉄道のネットワークを使って新しい物流新商品を開発したことなどから、イタリア国鉄の貨物取扱量は増え始めている、とした。
また北イタリアに設置された「マルチモーダルプラットフォーム」を紹介した。イタリア国鉄と道路組合(日本の道路公団にあたる)が共同で開設したもので、鉄道と道路の結節点となり、モーダルシフトの推進に貢献している。また近くには100社以上の物流事業者が事務所を開設し、約1800人が働いているとのこと。
この研究報告会ではほかに、「ITを活用した鉄道貨物輸送」との研究報告も行われている。
