JR貨物所有地の地下水から発がん性物質と報じられる千葉県佐倉市のJR貨物所有地(千葉県佐倉市)の地下水から環境基準の220倍にのぼる発がん性物質「テトラクロロエチレン」が1994年に検出されていたと、毎日新聞などが2001年12月15日に報じた。
汚染されていたのは同市六崎のJR佐倉駅西側の、機関区が以前あった土地(面積 約4000平方メートル)。1994年に近くの河川にオイルが流出したため県などが調査し、地下水 1リットルあたり最高で2.2ミリグラムのテトラエチレンが検出された。環境基準は1リットルあたり0.01ミリグラム。
現場は旧国鉄時代に作業服を洗う洗濯施設があった。洗剤として使われていたテトラクロロエチレンが漏れていたようだと報じられている。
井戸水を使っている住民が周辺に居住しているため、県はJR貨物へ地元住民への説明を求めていた。しかし地元説明会が行われたのは調査から7年後の2001年11月末。佐倉市も、「汚染は貨物の敷地だけに限られていた」と同市の『1996年版環境白書』(450部)で10数行にわたり述べたのみで、住民への説明は怠っていた。
同社はすでに敷地の表面土壌を除去している。今後 10年を目処に地下水を汲み上げ浄化する計画。
しかし説明会で住民から、井戸水の水質調査を行うよう佐倉市へ要望が出されたほか、地下水汲み上げによる地盤沈下を懸念する住民も多かった。
なお住民への説明が遅れた理由について同社は、「調査に時間がかかった。佐倉市の白書でも取り上げられているので、急ぐ必要はないと思った」と話している([a])とのこと。なお共同通信([b])は、汚染源の特定と対策の取りまとめに時間がかかったことが理由としている。
環境基本法は、汚染者に水質改善を求めているが期限は明確に定められておらず、公表の義務もない。[a]
