鉄道貨物振興奨励賞応募社員のうち優秀な2件を特別表彰

鉄道貨物振興奨励賞へ応募したJR貨物社員の内、優秀だった2件の社員を伊藤直彦社長が特別表彰したと、2001年11月28日の交通新聞が報じた。表彰されたのは次の2件。

郡山車両所の大河原将夫助役、菅野隆一・佐藤義仲車両技術主任、「コンテナ荷崩れ防止対策」

小量の貨物をコンテナへ積み込む際に従来と逆に、壁へ寄せ、布製ベルトで固定する方法を提案。ネジ式キーホルダーのシャックルと呼ばれる金具で素早くベルトを装着するので積み卸しが容易。また郡山市内の荷主の協力でテストしたところ、荷崩れが全くなく、積荷のバランスが改善される効果もあった。積み込み位置を変えれば複数荷主の貨物を一つのコンテナに積み合わせることも可能など、メリットが多い。

本社開発本部の伊藤英里奈課員、「安全の確保は輸送の生命である〜事故防止とは何か・現場からの提言」

4年間の機関車の運転経験を基に従来の安全対策の弱点を、対策が場当り的で、議論が不足、年齢構成の変化と社員減少、「ゼロ災活動」の形骸化、など4点にまとめた。そしてハード面だけでなく、事故時の心理状態や天候などソフト面に踏み込んだ原因究明を行えば他の運転士も事故の教訓を共有できるはずとし、ベテラン社員が大量に退職している中で急速な技術力低下が心配されている現状ではソフト面に踏み込んだ抜本的な対策が必要だと述べている。効率的で安全な作業手順を全ての社員が共有するため、運転士の養成に1週間程度の短期集中研修を組み込むことを提案している。そして教育を充実させれば社員の技術力・安全意識が向上し、JR貨物への信頼が上がり、増収につながると述べている。

参考文献

• [a] 交通新聞,2001年11月28日