鉄道貨物振興奨励賞の入賞作品が決定

「鉄道貨物振興奨励賞」の入賞作品が2001年10月22日に決定した。32件の応募の中から次の作品が入賞した。

最優秀賞

「製品輸送のモーダルシフトの実践?物流環境取り組み事例」
シャープ西日本ロジスティクスセンター広島駐在の伊藤幹雄係長ら9名の共同研究

優秀賞

「羽生ORS営業開発からの提言」 日本通運の蓬田隆信主任
「鉄道貨物の発展に関する提言」 鉄道貨物協会業務部の五島洋次郎調査役(JR貨物から通運連盟へ出向中)

特別賞

「今後のわが国の鉄道貨物輸送で政府が果たすべき役割」
学習院大学大学院の竹井孝介・院生

最優秀賞のシャープ西日本ロジスティクスセンターは広島県東広島市にあり、主として携帯電話を全国へ発送している。これまではほとんどをトラックで輸送していた。1998年度は84個のコンテナしか利用していなかったが、2000年度は769個まで増えた。パレットを紙製の使い捨てのものから再利用可能なプラスチック製へ変更するなど効率的な物流システムを構築した。また論文では、JR貨物にダイヤの工夫や小口長距離貨物輸送への事業進出も促している。
選考委員長の橋元雅司・相談役=名誉会長は「ほかの業界への広がりも期待できる有益な事例」と評価した。

日本通運の羽生ORSに関する論文は荷主開拓の過程を報告したもの。新たなORSの開設も提案している。
また「鉄道貨物の発展に関する提言」は、サードパーティロジスティクス事業者が鉄道貨物を利用する可能性を検証した。

鉄道貨物奨励賞は2000年から始まった。事務局はジェイアール貨物・リサーチセンターがつとめている。選考委員長の他、JR貨物の伊藤直彦社長や成城大学経済学部の岡田清名誉教授らの委員会が入賞作品を決定する。
応募は前年より増えており、荷主・通運だけでなく、本年はJR貨物社員からの応募もあった。

参考文献

• [a] 交通新聞,2001年10月25日