JR貨物の2000年度決算

JR貨物は2001年5月25日に、2001年3月期決算(単体)を発表した。
売上高は前期に比べ2.6%減少し1602億5900万円にとどまった。しかし営業損益は4億500万円の黒字をマークし、前期の3億円の赤字から改善した。営業黒字は1993年度(1994年3月期)以来 7年ぶり。賞与の抑制など人件費(マイナス41億円)・物件費(マイナス15億円)カットを進めたことが功を奏した。
経常損益は26億7900万円の赤字で、8期連続の赤字となった。赤字額は前期に比べ10億円の改善。当期利益は32億2300万円の赤字。

前期は40.3%だった、人件費が売上高に占める割合は38.7%となった。年度末の社員数は8972人で、515人の減少。
また関連事業収入は発足時の9倍に成長した。

運賃と輸送距離は伸び悩んだ。輸送トンキロは、コンテナと車扱の合計が218億トンキロと、前期を1.9%下回った。
コンテナは、紙類の繊維工業品とISOタンクコンテナ輸送が好調の化学薬品・その他工業品が前年を上回った。しかし北海道が主産地の生野菜青果物がマイナス5.4%、政府米が減送の農産品がマイナス8%にとどまった。
車扱は、中部国際空港の土砂輸送でその他貨物が前期の2.2倍になった。石灰石はプラス7.9%だった。
しかし紙・パルプは前年並み、公共事業の削減でセメントは前年を下回った。石油はマイナス1.6%だった。

2002年3月期(2001年度)の売上高の見込みは1665億4100万円、経常損益は25億7600万円、当期純利益は10億200万円を目指している。有珠残噴火の影響などがなくなるほか、コスト削減をさらに進める。

関連ページ

• 当年度(2000年度)の事業計画
• 当年度(2000年度)の中間決算
• 前年度(1999年度)の決算
• 次年度(2001年度)の決算

参考文献

• [a] 「JR貨物」,共同通信経済ニュース速報,2001年5月25日
• [b] 塩谷 英明,「売上高は9期連続減収 7期ぶり営業損益は」,毎日新聞ニュース速報,2001年5月25日
• [c] 交通新聞,2001年5月29日