整備新幹線3区間の新規着工を政府が決定

政府・与党の整備新幹線検討委員は2000年12月18日、北陸新幹線の上越(新潟県)〜糸魚川(同)・新黒部(富山県)〜富山と九州新幹線の博多〜船小屋(福岡県)の3区間をフル規格で新規着工することを決定した。完成時期の目標は、九州が2012年、北陸は2012年以降。
今回未着工の区間については3年後に見なおすこととした。
また青函トンネルを北海道新幹線と貨物列車とで共用することついての調査など、次の事項についても決定した。

北海道新幹線

新青森〜札幌については、環境アセスメントの後 工事実施計画の認可申請。新青森〜新函館間について青函トンネルの貨物鉄道走行を調査

東北新幹線

盛岡〜八戸間は2002年末に完成し先行開業。八戸〜新青森間は2012年に完成

北陸新幹線

長野〜富山間はフル規格化し、2012年ころに完成予定。富山〜金沢間は2003年の見直しで認可するよう検討。金沢〜南越(福井県)間については新幹線乗り入れを想定し福井駅を整備

九州新幹線・鹿児島ルート

新八代(熊本県)〜西鹿児島間はフル規格化し2003年末に完成、先行開業。博多〜新八代間はフル規格化し、2012年に完成。新鳥栖駅を整備する

九州新幹線・長崎ルート

武雄温泉(佐賀県)〜長崎間の環境アセスメント後、工事実施計画を認可申請

JR貨物支援

線路使用料値上げに対する財政支援をJR貨物に対して実施

この結果、整備新幹線関連の2001年度運輸省予算は750億円とされた。財源として、生活関連特別枠の3000億円から403億円が充当される。
当初の運輸省要求は1500億円だった。なお2000年度当初予算の整備新幹線関連は352億円だった。

この決定を受け、JR貨物の伊藤直彦社長は次のコメントを述べた。[c]
「本日、政府・与党整備新幹線検討委員会において、鉄道貨物輸送の重要性をご理解賜り、並行在来線を引き続きJR貨物の列車が運行する場合、JR貨物に受損がないよう調整措置をご決定頂いた。この間、ご尽力を賜った政府・与党並びに関係行政機関の方々に深く感謝申し上げる。
本申合せを受け、今後、運輸省のご指導の下、細部については関係地方公共団体と引き続き相談していく。
これにより将来に向けて今後貨物輸送が安定的に行える仕組みが整ったので、お客さまには鉄道貨物輸送を今後とも安心してご利用頂くようお願い申し上げる。」[c]

参考文献

• [a] 「<予算>整備新幹線 北陸新幹線上越―糸魚川間など３区間着」,毎日新聞ニュース速報,2000年12月18日
• [b] 「3区間は2012年完成 政府与党の新幹線検討委」,共同通信ニュース速報,2000年12月18日
• [c] 交通新聞,2000年12月20日