(株)桃屋は、のりの佃煮やらっきょう漬け・塩辛などの、各種の瓶詰め食品を製造し、全国の食料品店・スーパーマーケット・コンビニエンスストアーで販売している。本社は東京都中央区。原料工場は三重県松阪市などにあるが、ほとんどの製品は埼玉県春日部市にある春日部工場で生産している。製品は、春日部工場近くの千葉県野田市にある物流倉庫(DP倉庫)に一度 保管される。そして注文に応じ、各地の配送拠点(SP倉庫)へ送られる。
春日部工場への原料輸送には全てトラックが使われている。しかしDP倉庫からSP倉庫への輸送には鉄道コンテナも使われており、その比率は同社の全物量の約12〜13%で、月間の発送個数は12フィートコンテナで約250個。コンテナの発送駅は越谷(タ)。着駅と発送個数(月間)は、札幌(タ)が約100個、梅田が約75個、福岡(タ)が約75個。
荷姿はダンボール箱のバラ積み。ダンボール箱 1個は15〜20kgで、コンテナへの積み込みはフォークリフトと手荷役で行なっている。SP倉庫から小売り店への配送単位が多品種・多頻度・小ロット化し一つの商品ではコンテナ1個分にまとまらないため、コンテナには15〜20種類の複数の商品を積み合わせている。またダンボール箱の大きさが商品によって異なるためパレットは使いにくい。
コンテナ輸送は荷傷みが少なく、商品の賞味期限など日付管理がしやすいため、同社は鉄道コンテナ輸送を利用している。コストはあまり考慮していないという。今後はさらに商品の受注単位が多頻度・小ロット化すると思われ、同社では2トンコンテナの利用なども視野に入れてコンテナ輸送の効率化を図りたいとしている。
参考文献: 運輸タイムズ,1998年1月26日