富士フィルムロジスティックス(株)は、写真フィルムで国内シェア7割の富士写真フィルム(株)の物流を担当している。本社は東京都渋谷区にある。
同社では輸送の90%をトラックでまかなっている。鉄道は10%。富士写真フィルムの工場は、小田原・足柄・富士宮・吉田南の4ヶ所にあり、西湘貨物・相模貨物・静岡貨物駅などから発送している。
このうち西湘貨物駅からは、主に足柄工場と小田原工場の製品(フィルム・ビデオテープなど)を発送している。一月におよそ、札幌(タ)へ130個、宮城野へ60個、名古屋(タ)へ30個、大阪(タ)へ30個、広島(タ)へ120個、福岡(タ)へ240個、それぞれ発送している。
両工場の製品は、地元の運送会社などのトラックで小田原の物流センターに集まる。ここで行き先別に、コンピュータが出力した検品表にしたがって作業員がコンテナに積み込む(手積み)。積み込みには30〜50分かかる。そしてトラックでコンテナは西湘貨物駅に運ばれる。
コンテナ輸送では積載効率アップと荷崩れ防止のために、パレットを用いず、バラ積み。また雨漏れを警戒し、積み込み後にビニールシートをかけている。そしてコンテナの扉を閉める前に板を挟んでゴムで止め、荷崩れを防止している。
なお同社では労働軽減・時間短縮を考慮してパレット化も計画しており、コンテナに荷崩れ防止対策が必要なようだ。
富士フィルムロジスティックス国内物流事業部の松本部長代理は鉄道コンテナ輸送について、コスト削減と時間短縮でメリットがあり北海道や九州など長距離輸送には適している、しかし短距離輸送は割高なため利用は少なかった、仙台・大阪・広島は最近の改善で利用できるようになった、と話す。なお到着が昼前の広島に関しては、早朝到着が望ましいとしている。
関連サイト: 富士写真フィルム
参考文献: 運輸タイムズ,1998年1月26日