新フレイト21計画

1994年11月に策定した10カ年計画(1994〜2003年)「フレイト21」の失敗をうけて「JR貨物の完全民営化のための基本問題懇談会」の1996年11月21日のワーキンググループで公表された5カ年計画(1997年度〜2001年度)が「新フレイト21」である。

新計画は国内総物量が増加しないことを前提とし、収入を厳しく見積もり、計画最終年度2001年度の目標・見込みを以下のように設定している。

売り上げ高

2060億円

経常利益

50億円(発表当初の試算では30億円だったが、JR貨物は基本問題懇談会の第10回ワーキンググループで修正した)

輸送量

4700万トン

社員数

8900人

利益が出る企業体質を作り上げるため、新計画は以下のことを基本としている。

• 競争力の確保
• 営業活動の強化
• 関連事業を拡大

そして競争力確保のため具体的には、以下の施策を行なう。

• 駅数は現状を基本とする
• コンテナ列車の長編成化
• 着発線荷役駅の拡大を図る
• 中小駅は自動車代行化する
• 大量・直行輸送のメリットがある専用貨物列車を、私有貨車を中心に拡大する
• 低積載列車の運賃を大幅に割り引く

また以下の施策で社員数を減らし、最終年度は8900人とする(95年度末は11597人)。これで人件費負担率は33%に抑えられる。なお鉄道部門は6400人(同9082人)と大幅に減るが、関連事業部門は250人(同161人)に増強する。

• 早期退職制度を1年間延長
• 55歳に到達した管理職社員の離籍を促進
• 出向を拡大
• 新規採用を140〜200人に減らす(平成7年度は290人)
• 管理部門の縮減
• 総合鉄道部の拡大
• 機関区や貨車区など基地の統廃合
• 職種相互の多能化と融合化
• 運転士勤務制度の見直し
• コンテナ番号自動読取装置の導入
• 運転士勤務管理システムの導入
• 業務委託・外注化の見直し

関連事業については、ホームセンターなど土地資産を活用した事業を拡大する。

これらを実現するため、以下の設備投資を計画している。

車両・機関車

600億円

安全対策

220億円

その他

180億円

関連事業

800億円

参考文献

• 運輸タイムズ,1996年11月26日
• 交通新聞,1996年11月25日